事業再構築補助金3,500万円をいかしてコロナ下でも大胆な新規事業に挑戦
ご依頼主様
株式会社株式会社 ほうとう歩成様
- 業種: 飲食サービス
- 従業員数: 20名
ほうとう日本一を決める大会で三連覇し、殿堂入りを果たした「歩成」。
行列ができる人気店ですが、コロナ禍では苦戦を強いられることに。そこで新規事業に勝機を見出し、HJPのサポートによって3,500万円の事業再構築補助金採択が実現しました。
挑戦したのは、これまでの業態とは全く異なるフルーツジェラートの製造と販売。ここまでの道のり、そして今後の展望を伺いました。
大行列の繁盛店がコロナ禍で一変
県内客ターゲットの新規事業を模索
― 常に行列ができる人気店とうかがっておりますが、コロナ前後の変化を教えてください。
歩成 当店は山梨県屈指の温浴スポット「ほったらかし温泉」や、果物狩りのメッカであるフルーツラインなど有名観光地の近くにあり、お客様は県外の方が中心でした。コロナ前は1~2時間待ちの行列も珍しくありませんでした。
ただご存知の通り、新型コロナウイルスがまん延した2020年3月以降は観光客の減少に伴い、売上が激減。今でこそ観光の客足は徐々に戻ってきていますが、当時は非常に苦しい状況でした。
そこで気付いたのが、県内客へのターゲティングを強化する必要性です。観光のお客様向けの業態は、コロナのような外的要因にきわめて弱い。当時は県をまたぐ行き来が制限されていましたから、県外からのお客様はゼロになりました。こういったリスクを払しょくするには、県内のお客様にも愛され、リピートしていただける事業が必要だと痛感しました。
8割以上の採択率を誇る高い実績をもつHJPとの二人三脚で
補助金の知識ゼロから新規事業の補助金を獲得
株式会社ほうとう歩成 代表取締役社長 小泉勇樹 様
― 新たなビジネスモデルを模索し、補助金を活用して新規事業を計画されたんですね。
歩成 そうなります。ただ補助金活用については当初、かなり躊躇していました。というのも、第一に申請や審査といった部分に対するノウハウが全くなかったもので、不安が大きかったのです。「事業再構築補助金」は、手続きも採択も非常に難しいという話も聞いていましたし。
そもそも飲食業とは、お客様においしいものをご提供して喜んでいただく、笑顔になっていただくという価値が最優先です。職人のような世界である一方で、デスクワークや書類の手続きと言った部分は不得意な方も多いでしょう。
ですので、今回の「事業再構築補助金」以外にもさまざまな補助金やサポートがあるものの、存在自体を知らないという飲食業界人は少なくないと思います。それこそ、コロナ禍で初めて知ったという方が大半ではないでしょうか。
― 歩成さんは、どういった経緯で「事業再構築補助金」を知ったのでしょうか?
歩成 飲食業界の「居酒屋甲子園」という大きなコミュニティを通じて紹介いただきました。全国の外食経営者を中心に、さまざまなイベントや情報交換が行われる場で、当時はお互い苦しい状況の中、「うちはこういうテイクアウトをやってるよ」、「ECを始めたよ」などの情報が飛び交っており、そこで補助金について知りました。
実際に「事業再構築補助金」を採択したという話も耳にしましたが、自社だけで手続きできた経営者はほとんどいませんでした。多くが、手続きに詳しい士業の先生や商工会の方などにサポートしてもらっていたと思います。そうした中で、当社はサポート力に定評があり、実績が豊富なHJPさんにお願いする流れとなりました。
― 重視された実績面ですが、補助金申請後の採択率のようなものでしょうか?
歩成 はい。この補助金審査は狭き門で、内容や申請額によって変わりますが、平均採択率は30~40%ではないかと思います。その点、HJPさんは約80%の採択率を誇り、しかも一度通らなくて再申請した企業に関しては、100%採択させているという実績があります。
もちろん、申請する企業の事業計画や経営姿勢なども審査されますので、どんな計画でも通せるわけではありません。ディスカッションの中で経営者側から「とりあえずお金がほしい」といったニュアンスがにじみ出ていれば当然HJPさんもお断りされるでしょう。また、そういった場合は補助金の趣旨との齟齬があるはずです。
そもそも補助金ありきで事業をスタートするのではなく、自社の理念に立ち返り、やりたい事業がビジョンの延長線にあるのかどうか。そこに対して、ではどういった補助金が適切で、金額はいくらが適正なのかを決めていくのがあるべき姿だと思います。
― 歩成さんの場合、どういった内容で申請したのでしょうか。
歩成 フルーツジェラートの製造工場設立と、それを移動販売するキッチンカーの購入費用で、金額は3,500万円で申請しました。
フルーツのジェラートにしようと思った理由は大きく分けると2点あります。ひとつは、山梨産フルーツのポテンシャルの高さ。山梨県はブドウ、桃、スモモの生産量が日本一であるほか、さまざまな果物の名産地です。国内はもちろん、海外の富裕層がわざわざ買い付けに来るほど世界的にも人気で、この魅力を生かすとともに地元生産者を応援したいと思いました。
もうひとつは、それだけのポテンシャルがありながら、活かせている飲食店がそこまで多くないという点です。確かに山梨のフルーツを利用したお店はありますが、活発に出店したり、名店がたくさんあるわけではありません。意外とニッチであり、そこに勝機を見出しました。
「ほうとう」と並ぶ山梨名産フルーツで
地元の魅力を県内外に発信
― ほうとう専門店「歩成」で得た飲食業の知見もあり、それが審査の強みにもなったのではないでしょうか。
歩成 おかげ様で、1979年の創業から40年以上愛されて続けてきました。ただ不安がなかったわけではありません。なぜなら、スイーツを手掛けるのは初めてだったからです。これまで、サイドメニューとしてもデザートは提供していませんでしたから。
うちでは、腕利きの和食の職人はそろっていますが、パティシエなど、フルーツを使ったスイーツをメインで開発できる人材はおらず、そこが不安な点ではありました。とはいえ、おいしいフルーツジェラートができれば、ほうとう店での横展開もできますし、お客様への新たな選択肢としても適したメニューであると考えました。
― 地元の名産をいかして生産者と地域を盛り上げるというコンセプトは実に素敵ですね。HJPのサポートやアドバイスはどういったものだったのでしょうか?
歩成 数字的な部分も含め、かなりディスカッションさせていただきました。提案をいただくことも多く、最終的にすり合わせながら作っていった形です。トータルの期間については、最初にHJPさんに相談したのが2021年の6月。採択されたのが2022年の6月なので、1年弱ほどサポートしていただきました。
私たちは長年、ほうとうを主軸に郷土の食文化をお伝えしてきましたが、根底にあるのは、山梨の魅力を発信したいという強い思いです。その点では、ほうとうもフルーツも同じです。HJPさんに相談した時点である程度のコンセプトは固まっており、そこから具現化するにはどうすればいいかというアドバイスをいただくとともに、事業計画書へロジカルに落とし込んでいくうえでのサポートをしていただきました。
たとえば事業規模について。当社の新事業を具現化するとなると、規模も大きいということで100万や200万円ではジェラートは作れないと。ましてや、ジェラート工場もという相談でしたから。そういった話の中で、「であれば事業再構築補助金を活用しましょう、予算としては3,500万円が妥当ではないでしょうか」という形になりました。
無事、2023年7月にスイーツ専門店【Funari GELATERIA】をオープンし、ありがたいことに連日大勢のお客様で賑わっております。今後はより一層、県内のお客様にも愛されるブランドを構築するとともに、安定した経営を目指したいと思っています。
専属チームの徹底した市場調査とサポートで圧倒的な信頼感
― あらためて、HJPのサポートを振り返ってどうでしたか?
歩成 非常に頼もしかったことが2つあります。
ひとつは、リサーチ力と提案力の高さ。専属のご担当者に相談に乗っていただきましたが、現地にいらっしゃって県内にあるジェラートショップの状況を調べていただくなど、徹底した市場リサーチで助けていただきました。
そういった調査結果があったので、たとえば「桃のジェラートを売るのであれば、コーンだけでなくカップにして売ってもいいのではないか」という提案を出せるのだと思いました。当社のアイデアに対する指示も的確でした。私たちはなんとなく「桃のジェラートをキッチンカーで販売したい」と言うわけですが、それに対してHJPさんはリサーチで得た調査結果から判断されますので、裏付けがあるんですね。
商品単価などの数字的な面でも、リードして提案いただきました。原価からの計算だけでなく、市場の平均金額がいくらなので、「このメニューは〇円が妥当ではないでしょうか」、とリサーチしたうえで提案いただけるので、非常に安心感がありました。
汎用的な資料や統計ではなく、当社の希望に沿ったリアルなリサーチ結果をもとに提案していただけるのが、とても心強いと感じました。
― 的確で安心感のあるコンサルティング力があるということですね。
歩成 はい。そしてもうひとつの魅力は、担当の方が一生懸命なのはもちろん、しっかりとチームを構成してくださるところ。たとえば、情報伝達や共有にLINEでチャットグループを作るのですが、後方支援で中心の担当者以外の方からも手厚くサポートしていただきました。
採択されるまでは不安な気持ちもあるのですが、「任せてください」という言葉も励みになり、人材層の厚さを実感しましたね。補助金の採択も喜ばしいことですが、サポート期間中の頼もしさ、安心感という面でもHJPさんには大変お世話になったと実感しています。
ご依頼主様
株式会社株式会社 ほうとう歩成様
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- 従業員数: 20名
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